玉ボケや光芒を使って、一眼カメラらしい写真を撮りたい。
でも偶然できる事はあっても、なかなか狙って出来ないんだけど、どうしたらいいんだろう?
そんな時に使うのが絞り優先モード。
たった3つの事を覚えるだけで、スマホの写真とは大違いな写真の出来上がりです。
主に、玉ボケに作用する要素は、カメラ、被写体、背景の距離の関係とF値。
玉ボケを作りたい時は、カメラ、被写体、背景の距離を調整しながら、なおかつF値は小さく。
夜景写真などで、キラリとした光、光芒を作りたい時はF値を大きく。
この3つの事を理解しておけば、玉ボケも光芒も使いたい放題!!
そして、そのF値を指定できるモードが絞り優先モードです!
玉ボケを作る要素コツその①F値について。
まず初めに、なぜ玉ボケが出来るのか?っと言うお話を超簡単にします。
玉ボケの出来る要因を乱暴に言ってしまえば「光るものがあって、ピントがあってなければいい」です。
というわけで、クモの巣に付いた雨粒で見てみましょう。
こういう状態ですね。
そして、ピントが合っている場所から遠いほど玉ボケになっていきます。
F値と被写界深度
では、なぜ絞り優先モードでF値小さくすればボケるのか?
これは、F値が小さくなるほど被写界深度が浅くなるためです。
といっても、なんのこっちゃ?っとなると思うので、被写界深度についてWikipedia先生に聞いてみました
被写界深度(ひしゃかいしんど、英語:Depth of field(DOF))とは、写真の焦点が合っているように見える被写体側の距離の範囲のこと。写真用レンズにおいては、ある一つの設定で厳密な意味でピントが合っている場所は、一つの平面上にしかないが、一定の許容量を認めることでその前後にも十分にはっきりと像を結んでいるといえる範囲がある。その範囲のことを被写界深度と呼んでいる。
Wikipedia
これ読んでも、分かりにくい…
ということで、もっと簡潔にいいます。
F値が小さいと、ピントが合う場所が狭くて、F値が大きいとピントが合う場所が広い
厳密に言うと違いますが、とりあえずはそんな認識でいいと思います。
F値が違うと玉ボケや前ボケにどれくらい影響が出るのか比較!!
左側、背景の玉ボケ具合と右側の前ボケに注目してみてください。
今回は木々の隙間から漏れる光が玉ボケの元となってます。
まずはF2.8から
しっかりとボケボケになり玉ボケも沢山です。
続いてF3.5
個人的にはこのくらいの玉ボケが好き
続いてF5
少し玉ボケ感が弱くなってきます
続いてF6.3
だいぶん前ボケがなくなってきました
続いてF8
ほぼ玉ボケ消失
最後にF10
前ボケも背景ボケもほんのわずかです。
という風に、F値が大きくなるにつれ、ピントが合う場所が広くなり(被写界深度が深い)小さくなればピントが合う場所が狭くなります(被写界深度が浅い)。
玉ボケは「ピントが合ってない場所で出来る」ので、F値が小さい方が玉ボケは作りやすいという事が分かったと思います。
玉ボケを作るコツその② カメラ、被写体、背景の距離の関係
よく、望遠よりのレンズで撮れば「背景がボケやすく玉ボケも作りやすい」といわれます。
あながち間違いではないのですが、ちゃんと理屈を理解しておくことで、応用が効くようになります。
なので、正確にはどういうことなのか?っというのを解説していきます。
ボケと焦点距離の関係性について実験
カメラにグリットを表示させて、ライターの大きさを大体同じにし、焦点距離だけを変えたもので比較してみます。
焦点距離75ミリF2.8
焦点距離28ミリF2.8
多少、撮り方の問題で違いが出ていますが、焦点距離によりボケ感は変わらないという事はわかってもらえたと思います。
つまり、被写体の大きさを同じにした場合、ボケに関係するのはF値のみという事になります。
これは、焦点距離が変わっていますが、カメラ、被写体、背景の距離は相対的に変わっていない為です。
カメラ、被写体、背景の距離を比較して実験
次に、焦点距離28ミリF2.8固定でライターの大きさを大体同じにし、背景の距離を変えてみます。
焦点距離28ミリF2.8 背景までの距離10㎝
焦点距離28ミリF2.8 背景までの距離50㎝
背景までの距離を変えることで、ボケが大きくなりました。
最後に、焦点距離28ミリF2.8固定でカメラの位置を移動してみます
焦点距離28ミリF2.8 ライターからカメラの距離50㎝
焦点距離28ミリF2.8 ライターからカメラの距離20㎝
先ほどと同じで、カメラの位置を変えることによっても、ボケは変わってきます。
このように、ボケの量と言うのは、カメラ、被写体、背景の距離関係によって変わってきます。
カメラ、被写体、背景を固定して、焦点距離を変えて実験
望遠よりのレンズで撮った場合、玉ボケが出来やすいというのは、焦点距離が変わるため、相対的にカメラの位置を動かすことと同じになります。
ですので、カメラ位置、被写体、背景の距離を固定して実験です。
これは、玉ボケが分かりやすい様に、夜間に撮り比べてきました。
まず焦点距離28ミリから
焦点距離35ミリ
焦点距離50ミリ
焦点距離60ミリ
焦点距離75ミリ
よって、広い意味では「望遠よりのレンズで撮る」と言うのは完全に間違いではないでないという事も分かってもらえたと思います。
玉ボケを作るためにはカメラ、被写体、背景の距離を意識する
被写体が動かせるなら、動かせばいいし、無理なら自分が動く。
背景の距離も、玉ボケの元となる光の場所を意識して、アングルを変えたりします。
さらに、玉ボケが大きすぎると感じた場合は、F値大きくしてみたり試行錯誤をしてみましょう。
そうすることで、狙った玉ボケを作る事が可能となり、写真の幅が広がると思います!
長々と説明しましたが、距離の概念を正しく理解することで、最適な焦点距離のレンズ、アングル、カメラ位置などいろいろな選定にとても役立つので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか?
キラキラ光る光芒を作るコツ。
写真をはじめて間もないころ、夜景を撮りに行ったら何故か、光が全部丸い…
他の人が撮った写真みたいにキラキラした光を作りたいんだけど、どうすればいいんだろう?
って、結構悩みました。なんせ、光芒って言葉すら知りませんでしたからね。
というわけで、光芒はどうやって作るのか?
答えは単純。夜だから暗いから明るく撮るためにF値を小さくしたいところですが、そこは思い切ってF値大きくすればいいのです。
もちろん、明るさを確保するために、シャッタースピードは遅くなるので三脚は必須です。
今回は、夜景の撮り方ではないので、その辺は割愛します。
ですが、例えとして夜景が分かりやすいため、夜景を使って解説していきたいと思います。
そして、昼間「太陽をキラキラさせたい」とかの場合は三脚は必要ありません。←当たり前か。。。
光芒の形はレンズによって違う
まず、はじめに理解しておくことは、光芒の形や数はレンズによって違います。
これは、レンズの構造によって作られるため、特殊なフィルター等を使う場合を除いて、レンズ固有の形、数となります。
数に関しては、絞り羽根というレンズの機構によって作られます。
なので、光芒の数をあらかじめ知りたい場合は、絞り羽根の数を調べることにより知ることが出来ます。
絞り羽根の数が偶数の場合、絞り羽根と同数の光芒が伸び、奇数の場合、絞り羽根の数の二倍の光芒が伸びるようになります。
光芒とF値の関係を撮り比べ
では、実際にF値によって光芒がどう変化するのかを比較していきましょう。
沢山の光が並んでいるところで撮っているので、その光源の大きさや位置的なものも比較してみてください。
F2.8の場合
この状態ではまだ光芒はみあたりません。
F4.5の場合
この時点でも、光芒はごくわずか。よーく見ないとわかりません。
F8.0の場合
ようやくそれらしくなってきましたが、まだまだ滲んでいるような状態です。
F11の場合
この辺りが派手過ぎず僕は好きですが、アクセントとして使いたい場合などはもう少し絞っていきます。
F22の場合
この辺りまでくると、もうキラキラです。
このように、光芒を作るためには、F値大きくする事がコツなります。
光芒を作る時の注意点。
光芒を作ろうとF値を大きくすると、シャッタースピードがどうしても遅くなってしまいます。
特に、夜景などの場合は30秒以上シャッターを開ける時もあります。
なので、基本的に三脚は必須。
次に、実際に写真にするまでどのような光芒になっているか分からないっという点が上げられます。
これは、ミラーレスカメラであっても同じで、背面液晶を見ながらいくらF値変えたとしても、その光芒にあまり変化はありません。
なので、実際に撮ってみて確認しながら、自分の好みの光芒を探すことになります。
くれぐれも、僕のように写真にする前に背面液晶だけ見て、光芒が出来ないっと悩まないでください!
ちゃんと、シャッターを切ってから写真になった状態で確認する事ですよ!!
まとめ
今回は、絞り優先モード(F値)を使いこなして、玉ボケと光芒の作り方を理解しようっというテーマでやってまいりました。
絞り優先モード(F値)で出来る事は、大まかに二つ。玉ボケを作る事と光芒を作る事です。
玉ボケを作るためには、まずF値を出来るだけ小さくする事。
そして、カメラ、被写体、背景の位置関係を意識しながら、自分の好みのアングルを探していきます。
玉ボケが大き過ぎると感じた場合はF値を大きくしたりしながら試行錯誤をしていきます。
同じレンズであっても、被写体との距離や玉ボケにしたい光源の位置によって、出来る玉ボケの大きさなどが変わる事を忘れないでくださいね!
光芒の作り方は非常に単純。ただF値を大きくすればいいだけです。
特に、夜景などの場合、どうしても暗い所なので、F値を小さくしたくなりがちですが、そこはぐっとこらえて絞り込んでいきます。
その際の注意点として、光芒は撮ってみるまでどう写るか分からないという事。
間違えても背面液晶をみながら「光芒が出来てない。どうしよう」っと悩まないでくださいね。
写真になった後、背面液晶で確認すれば、ちゃんと光芒が出来ています。
では、絞り優先モードを使いこなしておしゃれな写真を量産していきましょう。
以上!!
玉ボケと光芒好きなタカでしたノシ
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